映画

"不死鳥の哲"と"人斬り五郎"〜渡哲也さんを偲んで

0422koube2渡哲也さんが亡くなった。
私の永遠のアイドルが、いなくなってしまった。
私のオールタイムベスト1の映画は、渡哲也さん主演の『紅の流れ星』。
『東京流れ者』、『無頼』シリーズ、『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』、東映だけど『仁義の墓場』も大好きだった。
実際に会ったことがないので巷間伝わるその人柄の素晴らしさは知らないけれど、銀幕のスターとして憧れ続けた。

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【7日間の映画チャレンジ】ピックアップ

0504hachigatu FBのバトン・リレーの映画版、アジア映画に関しては母屋の「アジアンパラダイス」へ掲載しますので、こちらは日本+欧米作品の投稿をまとめました。

『八月の濡れた砂』。
1971年、ロマンポルノに移行する前、ダイニチ映配最後の作品となった藤田敏八監督の名作。
映画館で27回見ました。
映画というのは"その時の出会い"なので、いま青春期にある人たちがこれを青春映画の傑作と思えるかどうかはわからないけれど、当時の私は心だけでなく内臓までちぎられそうなくらいの衝撃を受けました。
♪あの夏の光と影は どこへ行ってしまったの…石川セリが歌う名曲、この同名主題歌を聞くと、いまだに胸がチクチクします。

主演の村野武範さんとは、それからだいぶ後に一緒に番組をやらせていただくことになったのですが、最初は"あ、あの健一郎と毎週仕事するんだ…"と地に足着かない感じでした。
ご挨拶の時におそるおそる27回見たことを言うと「あっ、そ。よくそんなに見たね。俺なんか1回見ただけだよ、あはは」と。
でも、村野さんにとってはやはり忘れられない作品なのだということを、はっきりそうはおっしゃらなくても数年間ご一緒して感じていました。

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【7日間ブックカバーチャレンジ】で選んだ本〜そのDay5〜7

0502book5 FBで行われた【7日間ブックカバーチャレンジ】の私の投稿、後編のまとめです。

5日め
「日活ポスター集」です。
サブタイトルに「ポスターでつづる日活映画史」とあるように、ロマンポルノ前の漢字の「日活」作品のポスターを集めた一冊。石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、宍戸錠、二谷英明、渡哲也、吉永小百合、芦川いづみ、北原美枝、浅丘ルリ子、和泉雅子ほかのスター分け、ジャンル分け、監督分けなどで構成され、文字は最後に30ページほどの日活映画史の記事のみです。

数年前家のリフォームに伴い、“これは捨てないよ本”以外全ての本を手放そうと一大決心をし、映画関連の膨大な書籍は神田の映画・演劇専門の古書店、矢口書店に引き取ってもらいました。
その時に唯一残した映画関連本が、製作・編集・発行「日活ポスター集制作委員会」という自費出版のこれでした。
老後に文字が読みづらくなった時でも、これなら映画の想い出にひたれると思って…。
いまこの本を見ると、手放した本たちのことが思い出されます。
名残惜しかったけど別れなければならない…使命のために愛する人を残しひとり去って行った日活アクションのヒーローたちのように。(笑い)

この時の本とお別れした時の事は私の個人ブログに書いたので、もし興味があったらご覧下さい。
http://www.kimagure.net/2018/08/1-5d81.html
http://www.kimagure.net/2018/08/2-837f.html

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兵庫県の旅 神戸〜初めてのロケ地探しは遙か昔

0422koube1 都道府県全制覇記念-5。
兵庫県は私のルーツの半分(父の出身地)ということもあり、子供の頃から頻繁に訪れている。
尼崎、宝塚、川西、西宮、姫路、たつの、淡路島、そして神戸。
神戸は北野の異人館とか山手に見どころも多いのだが、どちらかというと港派だ。
小さい頃から日活映画で育ってきたので、大小の船が停泊したり行き交う神戸港を歩いているだけで身の程知らずもいいとこで申し訳ないが、浅丘ルリ子になった気がする。

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広島の旅 尾道〜大林宣彦監督を偲んで

0411onomichi1 都道府県全制覇記念-4。
4月10日、大林宣彦監督が亡くなられ、多くの映画ファン・関係者に衝撃が走った。
肺がんで余命宣告をされながらも闘病中に2本も映画を撮り、昨年の東京国際映画祭では最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の上映後に車椅子で登壇された。
たくさんの俳優さんたちに囲まれ、反戦へのメッセージを強く語られていたことが心に残っている。
数々の大林作品の中でも、『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の“尾道三部作”が有名で、故郷尾道市はロケ地巡りの映画ファンで賑わい、ずいぶん前になるが、私もその一人として尾道を訪れた。

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大分の旅その3 湯布院〜ゆふいんの森号は最高!

0405yufuin1 都道府県全制覇記念-3。
さぁ、別府から湯布院へはバスで約1時間。
JR由布院駅は黒のモダンな駅舎で、礼拝堂をイメージしたものだそう。
スカーボロというイギリス製のクラシックカーを利用した9人乗りの小型乗合観光バスや観光辻馬車もあるけれど、もう、ここでは美味しいものを食べ、ゆっくり過ごそうということにしたので、駅前から湯の坪街道でお土産見たり食べ歩き。
焼きたてドーナツにホットチョコレートがたっぷりかかっている「焼きたてミルヒチョコドーナツ」に始まり、金賞コロッケ、その先のもう一軒のコロッケ(名前は忘れた)など食べてロールケーキで有名な行列の店B-speakへ。
ああ、やっぱり…着いた午後3時過ぎではもう売り切れ。
まぁ、しかたないよね。

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台湾・台北の碧湖公園を歩いてみた〜実は映画『GF*BF(原題:女朋友。男朋友)』のロケ地探索

1217bihu1 11月の台湾行きといえば金馬影展(映画祭)と金馬奨その他の取材なのだけど、映画や取材がない時間ももちろんある。
そういう時は、事前に約束した友達とのご飯やお茶以外に、どこにお散歩に行こうかなぁ、と考えるのが楽しい。
で、今回天気も良く空いている昼間に碧湖公園に行ってきた。
碧湖公園は台北の郊外、内湖にある。
もともと農業灌漑用の貯水池だったところを1987年に公園にしたレジャースポットで、捷運(台北メトロ)文湖線の「文徳」駅から徒歩5分くらい。

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本を売る〜その2

0816book1子供が社会人になりそれぞれ独立して家を出て行った時、ようやく自分の書斎ができて、それまで2部屋に分散させていた映画関連本とキネマ旬報のバックナンバーを自分の部屋に移動した。
床から天井までの壁二面、スライド式書架の間に寝ていたのだが、地震が来たら本の下敷きになることは必須という危機感満載の日々だったけど、本に囲まれて過ごす幸福感と言ったら、それはもう…。

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かっこよかったぁぁぁ、西島くん!!

西島秀俊にインタビューしてきた。
何を着ていこうか…考えた末、いつも通りの服で六本木の某スタジオに。
前の取材のおすぎさんが出てきたので、ご挨拶すると、びっくりしたようで頭をグシャグシャッとされた。
『むずかしい子よ。』と言われたのでちょっと不安になるが、以前から良く知っている映画会社の担当者の『かっこいいですよぉ』という言葉に励まされ、西島くんの待つ部屋へ。

うぉぉぉ、西島くんだ!
何気ない白いシャツがまぶしい。背が高い。私のツボの髭はやしてる。かなりかっこいいぞ。
映画で見る、まんまのイメージ。
おすぎさんの言葉はすっかりどこかへ飛んでいた。
番組ナビゲーターに質問を任せ、最初はカメラに専念。
お、笑った。カシャッ。
そういえば、「あすなろ白書」の頃から“西島くん”と呼んでいて、気が付けば彼のことを話すとき、みんな“西島くん”と言う。話を聞いていくうちに、ほとんどの人がそう呼んでいるのではないかと思った。
ある種の親近感だけではなく、彼ならではの雰囲気が“西島くん”という呼び方にピッタリなのだ。

信じられないくらいの多作で、別の作品がクロスしている時も少なくないだろう。そういう時、役による気持ちの切り替えはどうするのかと聞いたら、別にないと言う。
2〜3本同時に撮っている時でも、苦にならず、切り替えについて考えた事もないそうだ。
それって、すごいかも。
多くの監督が彼を起用する理由は、西島くんのこういった自然体にあるのかも知れない。

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西島秀俊 2年ぶりの主演映画

kikyou西島秀俊と聞いて、最近では「大奥」の殿、古い人なら「あすなろ白書」を思い出すのかなぁ。
実は、その古い「あすなろ白書」時代から好きな俳優だ。
あのまま当時のトレンディドラマに次々と出演して、人気街道まっしぐら…かと思ったら、あっさりと芸能活動を中止して、休学していた大学に戻ったのだ。横浜国大ね。
あの時期の決断として、なかなか勇気がいったのではないかと思うが、賢明な選択だった。

その後卒業して芸能界に復帰したのだが、出演作品がどれもシブい。
一時的な人気に頼らず地道にキャリアを積んで、本当にいい役者になったと思う。
そして、多作だ。
メジャーからインディペンデントまで、去年の秋から今年の秋あたりまでで、出演作品12本!
もちろん役の大小はさまざま。

その中で「帰郷」というのが6月に公開されるのだが、これが2年ぶりの主役作品。
利重剛がプロデューサーと脚本を兼ね、彼と一緒に仕事をしたくて、この作品の主役は西島秀俊にあてて書いたと、映画会社の人が言っていた。
試写を見たら、なるほど、どこか頼りなげでほんわかした主人公が、ひょんなことで父親として成長していく姿を描いている。
いいんだ、これが。
西島秀俊魅力が過不足なく出ている。

そして、なんと明後日、西島秀俊のインタビューのチャンスに恵まれた。
長年注目してきた好きな俳優なので、しっかり準備して、いいインタビューにしなきゃ。

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