2025大阪アジアン映画祭〜目指せ節約!Day3
昨日までの寒さはどこへやら。
暖かく気持ちの良い日は、前日に見た香港映画『ラスト・ソング・フォー・ユー』の梁禮彥(ジル・リョン)監督インタビューからスタート。
インタビューの時は作品や監督・キャストについてリサーチし、実際に作品を見て質問を作るのだけど、映画祭では鑑賞後あまり時間をおかずに取材することも多く、事前に質問を提出しなければならないこともあるので、映画を見る前に想定質問を作っておく。そして、映画を見て追記したり微調整する。
取材時間30分ならば10問作り、本番では話の流れで想定外の質問をしたり、時間がなくなりそうになると優先順位の低い質問をカットするなど、取材しながら臨機応変に対応していく。私は前職のおかげで時間読みは身体に染みついているので、大事な事を聞き逃すという失敗はあまりない。
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この映画のメインのロケ地は、香港の長州。事前リサーチでおもしろいことを見つけたので、そのことはしっかりと聞いた。
それは、この大阪アジアン映画祭で広東語通訳さんとして長らく活躍しているSophieさんが、長州のロケ地ツアーに参加したというレポートを見つけたのだ。これがとても面白い上にツアーの団長が、長州で撮影した作品が多い黄浩然(アモス・ウィー)監督。
なので、黄浩然監督が何か撮影の協力もされたのかと思って聞いてみた。
Sophieさんのロケ地レポートは、ご本人にご了解をいただきリンクを貼らせていただくので、香港に興味のある方はぜひご覧いただきたい。
https://note.com/sophie_bl_hk/n/na4f45c9267cc
取材の後はこの日1本目の映画鑑賞までかなり時間があるので、一度ホテルに戻り取材した写真や音声を整理してクラウドに上げておく。SDカードなどのメディアは壊れることがあるので、大事なデータはすぐにバックアップをしておけば、後で泣きを見ることにならない。
そして、今回のテーマである節約のため、ランチは外食をせず、となりのコンビニで買ったおにぎりをホテルの部屋で食べる。
映画は韓国映画『君と僕の5分』、日本の音楽や漫画が大好きな転校生とクラスの人気者の少年との“ボーイ・ミーツ・ボーイ”映画。さわやかで良き。
監督が日本のエンタメ好きということで、globeの「DEPARTURES」と「FACES PLACES」が物語のキーとして効果的に使われ、その歌詞に寄り添うようなシーンも散りばめられている。
上映後にはオム・ハヌル監督によるQ&Aがあり、子供の頃から日本のアニメが好きだったと語っていて、秋葉原に馴染む雰囲気をまとっていたのが印象的だ。
次の映画までの小一時間は、昨年までこの映画祭の広報を担当していた方とテアトル梅田のカフェでティータイム。
この方のお仕事ぶりは実に見事で、本当にお世話になっていた。今回は観客として参加すると連絡をもらったので、互いの鑑賞時間の隙間に時間が取れ、近況報告や映画についてお喋り。
短くも楽しいひとときだった。
続けて見たのは、制作国表記はフランス、ポルトガルだが、実質中国映画の『イケメン友だち』。昨年秋に台湾の金馬影展で見た中国では上映できない斬新な映画で、ぜひ日本語字幕で見たいと思っていたので、大阪アジアンでラインナップに入れてくれてうれしい。
この映画、タイトル通りではなくイケメンが一人も出てこないゲイムービーで、モノクロの映像がさらに斬新さを増幅している。
上映後の耿軍(ゲン・ジュン)監督Q&Aは短かったものの、良い質問で中身の濃い質疑応答だった。
Q&Aの模様は興味があれば母屋の記事をどうぞ。
http://www.asianparadise.net/2025/04/post-39718f.html
さぁ、ここからがたいへん。重要なTAIWAN NIGHTまでに20分しかないので、ウェスティンホテルの乗り場からタクシーでABCホールへ。知り合いの翻訳者さんと乗り合いで向かったが、開始7分前くらいに到着してひと安心だ。
林書宇(トム・リン)監督、潘客印(パン・カーイン)監督、曾敬驊(ツェン・ジンホア)、周美豫(ジュリアン・チョウ)監督、江宗傑(チャン・ゾンジエ)監督が登壇し、ごあいさつ。
台湾で人気の若手俳優曾敬驊のファンサに、客席から黄色い歓声が上がる。私もシャッターを押す、押す。
この日最後の上映は、林書宇(トム・リン)監督の『イェンとアイリー』。すでに台湾の金馬影展で見ているが、母と娘である2人の女性が自らの運命と向き合う姿を描いた素晴らしい作品だ。
実は愛妻を主役にふたりで創り上げた映画なので、台湾で見る前に監督と主役の距離感はどうなのか一抹の不安があった。しかし初のモノクロで描かれる母と娘の物語は、客観性を欠くことなく監督の的確なバランス感覚で紡がれていた。
やはり林書宇は天才だ。
上映後のQ&Aについては、母屋に記事を掲載したので、興味がある方はご覧いただきたい。
http://www.asianparadise.net/2025/04/post-2f74be.html
そしてこの後は以前ランチして美味しかった「吾作亭」で、友人と約束していた遅い夕食。
寿司と天ぷらを中心とした和食の店で、旬の一品料理をいくつかオーダーし、どれも美味しかったが、特に珍しいホタルイカの唐揚げが抜群。
メインのにぎり寿司もネタが良く、美味しかったのは言うまでもない。
あまりにお腹が空いていたので、次々と胃袋に収め、ホタルイカ以外の写真を撮るのを忘れた。
つづく