兵庫県の旅 神戸〜初めてのロケ地探しは遙か昔
『紅の流れ星』という映画がある。
ずうっと私のオールタイムベスト1日本映画。
舛田利雄監督が、石原裕次郎主演で『望郷』をパクった『赤い波止場』という映画があり、これを数年後に渡哲也主演でさらに『勝手にしやがれ』のテイストも盛り込んだリメイク作品だ。
この頃の日活映画は洋画の名作のパクリが多く、それなりに面白かった。
しかし『紅の流れ星』は、それなりに、なんてもんじゃない。粋な台詞の応酬、鏑木創の名曲が、デュヴィヴィエもゴダールもびっくりの世界を作り上げている。
一見チャラいヤクザの渡哲也とクールな浅丘ルリ子に、まだヒゲもグラサンもない刑事の藤竜也に震え、殺し屋の宍戸錠も、私の好きな脇役深江章喜も半端なく素敵だ。
この映画のロケ地を探したくて神戸に行ったのはいつだったか忘れたが、まだネットもない頃で頼りになるのは繰り返し見て焼き付けた記憶だけ。
特に知りたかったのが、街と港が一望できるバルコニーのある渡哲也の隠れ家。ここは『赤い波止場』でも使われている。
街と港が見下ろせる所だから、北野町よりもっと高いところを目指し、そっち方面行きのバスに乗った。
山側の椅子に座って外を凝視していたら…ビンゴ!
目指す家が見つかった。
次のバス停で降りて行くと、諏訪山公園近くのおしゃれな洋館だった。
もちろん中には入れないので、下から眺めてニンマリしていただけ。
カメラを持っていなかったので写真はない。もの凄く後悔している。
それからだいぶ経って、できて間もないホテルオークラ神戸に家族と泊まった。
ハーバービューの素敵な部屋で汽笛を聞くたびに浅丘ルリ子になった気がしたが、目を開ければ否応なく現実に引き戻される。
しかしさすがオークラ、全てにサービスが行き届きとても居心地の良いホテル。
翌日は六甲山のホテルに泊まったのだが、2泊の予定を1泊で切り上げて再びホテルオークラ神戸に戻ったほどだ。
中突堤にある、船の形をした神戸メリケンパークオリエンタルホテルにも泊まった。
ここは全室バルコニー付きで、動かないけど船に乗っているよう。
近郊に住む姉一家とその子どもたちを呼んで、テーマパーク代わりに遊んだのも楽しい想い出だ。
ただ、港周辺の様変わりは大きく、私の中の"日活映画の神戸港"が薄れいてくのが寂しい…。
直近は去年の6月。
大阪にコンサートを聴きに行った時、ランチに神戸牛を食べに行ったので、新神戸駅から北野町をぶらっとし、フロインドリーブでティータイム。
震災を機に中山手から生田に移転し、旧神戸ユニオン教会をリノベしたカフェになっている。サンドウィッチが有名なのだが、何せ昼にステーキを食べたので、デザートだけにしておいた。
三宮まで下って、このまま港へ行こうかとも思ったのだが、微妙な時間なのでお楽しみはまたこの次にしようと、阪急電車に乗った。
さぁ、次はいつ行けるのだろうか…。
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