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本を売る〜その2

0816book1子供が社会人になりそれぞれ独立して家を出て行った時、ようやく自分の書斎ができて、それまで2部屋に分散させていた映画関連本とキネマ旬報のバックナンバーを自分の部屋に移動した。
床から天井までの壁二面、スライド式書架の間に寝ていたのだが、地震が来たら本の下敷きになることは必須という危機感満載の日々だったけど、本に囲まれて過ごす幸福感と言ったら、それはもう…。

しかし、ついにその時がやって来た。
台湾留学中から考えていた、リフォームである。
台湾から帰国する前に、決意していた。“これは捨てないよ本”以外全ての本を手放そうと。
実は、音楽と映像ソフトもたいへんなことになっているのだ。これをなんとか収納しなければならない。

この時は、神田の映画・演劇専門の古書店、矢口書店に来ていただいた。
店主みずから出向いていただけて、憧れの矢口社長と色々お話ししながら査定をしてもらった。
けっこういけるのではないかと思っていたが、良い値が付く(古書市場に出回っていない)本は数冊。
そっか〜、そんなもんか…。
結果ゴミ本にしかならないものも含め、まるっと引き取ってもらえることになった。

問題は、キネマ旬報のバックナンバーだ。これもゴミだそう。
えええーっ!
しかも38年分なのでもの凄い量、処分代行で良ければ持って行くと言ってもらったが、それではあまりに悲しすぎるので、引き取り手を探そうと保留にした。
台湾の映画関係者とか、知り合いを通じて図書館とかに聞いてもらおう。

0816book2ところが、やはりこの量なので、送料を考えるとみんな二の足を踏んだ。
そんな時、救世主が現れた!
ムック誌でコーディネートや原稿執筆させていただいているキネマ旬報社の方とお茶しているときにこの話をしたら、運営する映画館に置くから引き取ってくれるということになった。
早速運搬日を決め、我が家にお二人で梱包に来て下さった。
「美本ですねぇ」と保存の良さを褒めていただき、38年分のキネマ旬報はお里帰りを果たしたのだ。

私が寄贈したキネマ旬報のバックナンバーは、柏の「キネマ旬報シアター」に鎮座してお客様に閲覧していただいている。
もしこちらへ行かれることがあったら、二階にいるこの子達の姿をチラッとで良いので見てみて下さい。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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